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SAE J1939 イントロダクション



J1939レイヤ
SAE J1939の機能は次のようにレイヤに分けられます:

・レイヤ1 (物理層)
 物理的な媒体でとくに電気インターフェイスを記述しています。
・レイヤ2 (データリンク層)
 CAN2.0B仕様に基づくCAN経由のデータコミュニケーションを記述しています。
・レイヤ3 (ネットワーク層)
 基本的に2つのネットワーク・セグメント間のメッセージ送信のためのブリッジの機能を記述しているので、J1939ブリッジの実装に関連しています。
・レイヤ4 (トランスポート層)
 基本的にメッセージ要求モード、ACK送信や大きなデータ・ブロックのフラグメント送信のためのさまざまなネットワーク・サービスを記述しています。
・レイヤ7 (アプリケーション層)
 実際のデータ(値範囲、分解能、物理ユニット、送信タイプつきのパラメータ、またはネットワーク変数)を記述しています。それぞれのメッセージは番号(パラメータ・グループ番号)によって明確に参照されます。
・ネットワーク管理は異なるユニットで考慮できるように、レイヤ・モデルのこのブロックはそのために右側にあるように独立した機能ブロックとして示されます。ネットワーク管理は基本的に自動割り当て、またはノードアドレスの決定(プラグ&プレイ)からなります。ノード・モニタリングはSAE J1939で定義されていませんので、アプリケーション・レベルでの周期メッセージで実装すべきです。

ISO/OSIレイヤ・モデルのSAE J1939
SAE J1939はOSIのレイヤ・モデルにしたがっていくつかのレイヤに分けられます。それぞれのレベルは別々のドキュメントで定義されています。ほとんどすべてのフィールドバス・プロトコルがレイヤ5、レイヤ6を不要としているのと同様にSAE J1939でもそれらは定義されていません。

SAE J1939プロトコルは、商用乗物用ネットワークとしてSAEによって定義されたプロトコルで、船舶、鉄道、農業機械、大規模発電機などに使われています。その上、SAE J1939は国際標準NMEA2000(船舶)とISO11783(農業機械用ISOバス)の基礎として使用され、そのプロトコル・スタックがこれらのアプリケーションでの使用を許容しています。

商用乗物用ネットワークとしては、SAEによって標準化されたシリアル・プロトコルが長い間個々の電子制御ユニットと、列車操縦のコンポーネント間のコミュニケーション用に使われていました。マイクロコントローラで通常使用可能なシリアルポートを基にしたJ1708/J1587プロトコルがその前身と考えられます。

J1708/J1587プロトコルとの互換性が要求されているために、 11ビットから29ビットのCANメッセージ識別子の拡張(拡張フォーマット)と、このメッセージ・フォーマットをサポートするCANモジュールやプロトコル実装の開発はJ1939プロトコルのために必要なものでした。

拡張CAN識別子が使用可能であるために、J1708で使用しているCANとのコミュニケーション互換の定義の原則をマッピングすることが可能になります。このために、識別子の一部は8ビットのソース・アドレス(元アドレス)と8ビットのターゲット・アドレス(ノード番号)を指定するために使用されます。

SAE J1939を通じて、測定値と制御でデータを送信し、コンポーネントを設定することが可能になります。その上、たとえば個々のコンポーネントの診断データの読み出し、削除や個々の制御の計算の実行などが行えます。

これを可能にするため、商用乗物セクタに関連するすべての変数は値の範囲、分解能、識別番号などが、SAE J1939の中で定義されています。このことは、すでにJ1587用の仕様書に基づいて定義されました。

このように、J1939プロトコルは送信タイプ、メッセージ構成、セグメンテーション、フロー制御などだけではなく、メッセージの内容自体を正確に定義することができます。

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